2005年06月03日

歴史マンガの意外な秀作

『坂本龍馬  黒鉄ヒロシ 講談社』
 
坂本龍馬は土方歳三同様、司馬遼太郎の手によって英雄になりました。
しかし、龍馬には間違いなく溢れる魅力と、新しい日本に残した功績があります。

黒鉄ヒロシ著「坂本龍馬」
--------------------------------------------------------------
このマンガの最大の魅力は、幕末の”生々しさ”が紙面を通して十分に感じる
ことできることである。
「龍馬ってこんな男だったんだろうな」「幕末の頃の日本はこんな雰囲気だったん
だろうな」と感じることができる稀有なマンガである。
 
マンガに限らず、小説でも映画でも、必ずしも「リアリティ=名作・傑作」とは限ら
ない。しかしながら本書は、間違いなくその滲み出る”生々しさ”が魅力となって
いる。そこに黒鉄らしいユーモアとブラックがスパイスとなり効いている。
今から坂本龍馬のことを詳しく知りたいと司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読むの
いいだろう。しかし彼の書は単行本5巻の長編である。活字がちょくと苦手な
御仁には、本書「坂本龍馬」をオススメする。
この一冊は「龍馬入門書」として十分にその役割を果たしてくれる。
 
へそ曲がりな私はおかしなところにひっかかる。
本書の中にストーリーとは関係のない「龍薬」といういわゆるエッセイのような
一文がある。その内容がまことに興味深く、同感の限りである。
要約すれば、
司馬が「竜馬がゆく」の中で創作した龍馬は実像ではない。そのことを批判
する向きもある。しかし、敗戦後元気をなくした日本人に、本を通して勇気と元気
与えた創作・坂本龍馬は薬と同義である。今更疑問符を投げかけ、龍馬の
位置を下げることは野暮でしかない。龍馬は副作用がない良薬である。
という内容である。
 
いずれにしても、「坂本龍馬」という魅力ある先人がこの国に残した爪跡は、
今もしっかり残っているし、今後も残していくべきものであることに変わりはない
だろう。
龍馬を知らない人に読んでもらいたい一冊である
--------------------------------------------------------------
坂本龍馬
  
Posted by ikusanin at 13:12